近年、個別指導が人気である。
一斉に授業を受けるのと違い、個別に教えてもらえるのが魅力である。
当然、一斉の授業よりかは月謝は高いが、家庭教師よりかは割安になる。
が個別指導の宣伝文句となり、大手の進学塾なども個別指導クラスを設けて、生徒数を集めている。
親としても、大人数での授業についていけない我が子を少し割高になっても、個別指導に通わせようとする気持ちは理解できる。
しかし、本当に一斉授業と家庭教師の良いところが集まっているのかは、注意が必要だろう。特に、中学受験対策として、個別指導だけで対応するのは賛成できない。
個別指導には、原則カリキュラムは存在しない。個人のペースに合わせて進むからだ。ということは、子供本人のやる気によっては、のらりくらりと進むことにもなる。
もちろん、理解せずに進むことに意味はないが、中学受験の勉強は特殊であり、かつ膨大な量がある。
つまり、教える側にも指導テクニックが必要とされるし、受ける側にも一定のペースでカリキュラムをこなすことが必要となるからだ。
私は、個別指導の先生として子供たちを指導した経験がある。
教える側の成績を上げるといった観点からいうと、一斉授業、家庭教師と比べて、個別指導が一番難しいと思っている。
問題は、1人に当てる指導時間と待ち時間である。
1対2の個別指導だと、60分授業で1人30分。
1対3の個別指導だと、60分授業で1人20分。
1対4の個別指導だと、60分授業で1人15分。
まあ少ないとはいえ、個別に教えてもらえるから一斉授業よりかは良いとお考えかもしれないが、説明をしてもらえる以外の時間はどうだろう。演習することになる時間だ。
1対2の個別指導だと、60分授業で1人30分の演習時間。
1対3の個別指導だと、60分授業で1人40分の演習時間。
1対4の個別指導だと、60分授業で1人45分の演習時間。
どうだろう?
しかも、先生は他の生徒に説明してるため、演習してる様子は見れないわけだ。中には、ボ~としている生徒がいる始末。
こんな状態ですから、生徒たちを同時に管理する先生も大変なわけです。
「この問題は先生に教えてもらって、あとは自分でやる!」
そんな生徒にお勧めであるが、親も「今日勉強したのどこ?」といったチェックはして欲しい。