中学受験という場合、大きく2つに分かれます。

1つめは、私立中学の受験。一部地域では国立大付属中受験も含まれる。
2つめは、公立中高一貫校の受験。

どちらも中高一貫であること、学力テストによる選抜(公立中高一貫校は適性検査)が行われます。国私立中学受験の試験科目は、国算理社4科、国算理の3科、国算の2科など学校によって科目数が違います。出題される問題は、小学校で習う範囲を大きく超えているものが多く、塾などで改めて学習しないと解けない問題がほとんどです。

また、同一の学校で4科受験と2科受験のいずれでも受験できる学校もありますが、近年は2科受験の難易度が極端に上がっている傾向も見られます。なお、国立中学で行われていた入試における抽選は全国的に廃止される方向で進んでいます。

公立中高一貫については、適性検査と呼ばれるテストが実施されます。適性検査Ⅰ、適性検査Ⅱというように大きく2つにテストを分け、国算理社のような科目別ではなく、各科目が混じりあった総合問題として出題され、作文、聞き取り問題なども出題されます。

学校によっては、難易度の高い問題も出題されているようですが、基本的に小学校の学習指導要領の範囲内で出題されるように気をつけられていますが、一定の訓練をしておかないと時間内に解けない問題も多くあり、多くの子供がなんの準備もなく解ける問題ではないでしょう。

公立中高一貫校は近年続々と設立され、評判の高い学校の競争率は10倍を越える学校もあり、日能研をはじめとする大手学習塾や進研ゼミなどの通信教育でもその対策講座の開設が相次いでいます。

これまで一般的に中学受験という場合、国私立中学校をさすことがほとんどでしたが、公立中高一貫校の出現で今後はより明確に分けて「中学受験」という言葉が使われていくようになるでしょう。

中学受験が盛んな地域としては、首都圏、関西圏、名古屋などの都市部が挙げられます。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、私立中学は日本に約700校あるそうですが、そのうち、首都圏では東京都179校、神奈川県62校、埼玉県20校、千葉県23校と関東4都県で284校、約40%を占め、関西圏では大阪府63校、兵庫県39校、京都府24校と3府県で126校、約18%を占めています。

関東・関西圏に58%の私立中学校が集中している計算になります。

これらの地区では、小学6年生の4人に一人または3人に一人という割合で受験するといわれ、地域によっては、クラスの90%近くの生徒が受験する学校もあります。これらの地区では選択できる中学がある反面、入学するための激戦が繰り広げられています。

こうした激しい競争がある一方で、私立中学で大きく定員割れをする学校も目立ってきています。定員割れを起こしている学校は、一説では、30%近くにものぼるともいわれ、公立中高一貫校の出現で、中学受験の様相はこれからの数年で、人気校とそうでない学校の2極化がさらに進むと思われます。

また、公立中高一貫校は、文部科学省によれば、最終的に全国で500校程度の設立を目指しています。この数値目標は、誰もが公平に、そして実質的に中高一貫教育を選択することを可能とするために必要な数とされ、かなりの勢いで全国に設立されています。

全国で500校ということは、47都道府県で換算すると、単純計算で1県あたり約11校が設立される計算になります。

今のところ、平成17年度までに設置された中高一貫校は176校、平成18年度で197校、平成19年度で257校設置もしくは設置検討がされるようですが、公立中高一貫校もその学校の運営の仕方や大学実績などにより、高い倍率を誇る学校と定員割れをおこす学校が出てくるでしょう。

中高一貫故教育は、6年間という子供にとっては大事な期間を過ごす場所になりますから、大学実績はもとより建学の精神や伝統、また学校主催の催し物や部活などの活動をよく観察して志望校を決定する必要がありますから、たった一度の学校見学だけで決めるのは本当のところはできないと思います。