首都圏1都3県の入試解禁日は、それぞれ
 
東京都と神奈川県の私立中学入試の入試解禁日は2月1日
埼玉県の私立中学入試の入試解禁日は2009年は1月10日
千葉の入試解禁日は2009年は1月20日
 
埼玉・千葉
 
1都3県の中では埼玉県が最も早く入試を開始し、その後千葉県となります。この1月に実施される埼玉県、千葉県の中学入試を通称「1月入試」と言い、東京、神奈川の受験生が場馴れするためや行き先を先ず確保する目的で行われる「お試し受験」の場となって併願受験します。は、そうした併願のため、1月入試の埼玉県、千葉県の受験者数は相当数にのぼるため、募集定員をはるかに上回る合格者数を出す場合がほとんどです。
 
1月入試が実施された中学校の受験生と合格者数の事例
2009年度栄東中学校 A日程入試結果
受験者数1654名   合格者数1033名
 
2009年度栄東中学校 東大クラス選抜Ⅰ入試結果
受験者数603名   合格者数355名
 
2009年度西武学園文理中学校 第1回入試結果
受験者数1,303名   合格者数861名
 
2009年度市川中学校 第1回入試結果
受験者数3294名   合格者数1341名
 
2009年度渋谷教育学園 幕張中学校 1次入試入試結果
受験者数2121名  合格者数732名
 
しかし、近年1月入試の埼玉・千葉県の中学校でも大学実績の向上などによって、人気、難易度とも上がっている中学校が多く出てきています。埼玉・千葉の中学校はさらに東京に比べて納付金額が安いというのも大きな魅力の1つでしょう。
 
首都圏でも特定の人気難関校を除いて各中学校は、入試解禁日位以降、複数日の受験機会や午前入試・午後入試などの機会を設け、多くの受験生に受験してもらえるように努めています。
 
なお、埼玉県の秀明中学校ではAO(アドミッションズ・オフィス)入試、千葉県の昭和学院秀英中学校では推薦入試にあたる第1回入学試験(第一志望)など入試解禁日前に入試を行う学校がいくつかあります。
 
東京都

東京・神奈川の入試解禁日は、2月1日ですが、2009年がそうであったように解禁日の2月1日が日曜日に当たる場合、プロテスタント系の中学が礼拝に当たる日曜日を避け、入試日をずらす年があります。これがご存じのように「サンデーショック」といわれるもので、東洋英和女学院・立教女学院・フェリス女学院などが該当します。
 
サンデーショックの年は、例年以上に受験生の動向が注目されますが、現在では通常の年では受験できない中学校を併願できるということから「ショック」ではなく、「サンデーチャンス」と大手塾などでは呼ぶ場合もあるようです。
 
2009年度入試では、プロテスタント系の中学が試験日をずらし、女子御三家の1つ女子学院も入試日を2月2日にずらしたため、女子御三家の雙葉中学・桜蔭学園と併願が可能になり、桜蔭学園では前年より800人近くも受験者が増える現象が起こりました。
 
神奈川県
 
神奈川県の入試解禁日は東京都同様、2月1日で、2009年度入試では私立中学の70%が2月1日に入試を行いました。また、2009年度入試では、解禁日の2月1日に神奈川県内初で新設の公立中高一貫校の相模原両中等教育学校と平塚中等教育学校の適性検査日が2月1日に設定され、物議を醸しました。両公立中高一貫校とも、予想通り相当数の志願者が受験し、私学をおおいに恐れさせたのです。
 
2009年度入試 相模原両中等教育学校
募集定員160名  出願者数2,626名  競争倍率16.41倍
 
2009年度入試 平塚中等教育学校
募集定員160名  出願者数1032名  競争倍率6.45倍
 
神奈川県教育委員会は2009年度の公立中高一貫校の入試日の設定について、志願者数が多いと予想されたため、日曜日(2009年の2月1日は日曜日でした)以外に受験日を設定すると、公立小学校の授業が成り立たなくなるという見解を出していたようですが、2010年度入試では私学への影響も考慮したためか? 公立中高一貫校の「平塚中等教育学校」「相模原中等教育学校」の2010年度入試日程を入試解禁日とはずらして設定したようです。
 
平塚中等教育学校と相模原中等教育学校の入試日
適性検査及び作文による検査は、平成22 年2月3日(水)
グループ活動による検査は、平成22 年2月6日(土)
 
公立中高一貫校と私立中学校では入試の出題傾向が大きく違うため、受験者層は重ならないという指摘もあるようですが、進学実績が出始めたり、魅力的なカリキュラムを安価で提供するということが定着してくると、一部の難関人気私立中学は別にして受験者が重なり合ってくると予想されますので、今後の公立中高一貫校の入試日の設定は神奈川県だけでなく、東京都などでも問題提起されていくことでしょう。